詳説・収穫月間MVP 2018年9月編

今月も「#収穫月間MVP」発表の時期がやってきた。いつもは受賞作品を発表した直後にこの記事を更新するのだが、今回は少し遅れた更新となる。早速受賞した作品を挙げていこう。

 

初めまして部門

 

レベッカREBECCA Ⅳ Maybe Tomorrow」(1985年)

REBECCA IV~Maybe Tomorrow~

REBECCA IV~Maybe Tomorrow~

 

 

QlairQlair Archives」(2005年)

アイドル・ミラクルバイブルシリーズ Qlair Archives

アイドル・ミラクルバイブルシリーズ Qlair Archives

 

 

顔見知り部門

 

詩人の血「I love ‘LOVE GENERATION’」(1993年)

i love`LOVE GENERATION'

i love`LOVE GENERATION'

 

 

高橋幸宏「WHAT,ME WORRY?」(1982年)

What,Me Worry?

What,Me Worry?

 

 

惜しくも受賞を逃した作品

 

初めまして部門

市井由理「JOYHOLIC」(1996年)

藤井隆「light showers」(2017年)

・岩﨑元是&WINDY「The all songs of WINDY」(2012年)

たむらぱん「ノウニウノウン」(2009年)

浜本沙良「Truth Of Lies」(1995年)

・新川忠「Paintings of Lights」(2015年)

・古家学「僕が歩く場所」(1997年)

チェキッ娘「CXCO」(1999年)

 

顔見知り部門

大沢誉志幸「in・Fin・ity」(1985年)

かの香織「fine」(1991年)

・THE HAKKIN「情緒」(2015年)

 

このような顔ぶれとなった。今年は1980年代の作品をより深く突き詰めようと考えて始まったが、それが反映された作品が多くなっていると思う。

 

それでは、受賞した作品の簡単な解説と感想を書いていこう。

初めまして部門

 

レベッカREBECCA Ⅳ Maybe Tomorrow」…レベッカに関しては、長らく「フレンズ」しか知らない、ただその曲が大好きという状態だった。しかし、LINDBERGJUDY AND MARYといったレベッカに影響を受けたと思われるバンドはもれなく好きだ。しっかり聴けばハマると思い、特に人気の高い今作を手に取った形。自分が入手したのは2013年リマスター・Blu-Spec CD2盤。

当時大ヒットを記録した作品というだけあって、バンドサウンドとシンセとを見事に両立させたロック・ポップスが展開されていた。天下を取るきっかけになったと言える「フレンズ」も収録されており、やはり全体を通しての勢いが凄まじい。どの曲がシングル曲かわからなくなるほどだった。後半になればなるほど勢いを増していく構成にも圧倒された。80年代の王道なヒットアルバムと言ったところ。

 

QlairQlair Archives」…90年代はアイドル不遇の時代とよく言われるが、その中でも素晴らしい曲を残したアイドルは多くいた。曲の完成度に拘るアイドル「楽曲系」「楽曲派」の元祖とも称されるQlairはその代表格だろう。去年〜今年にかけてすっかりアイドルポップにハマった自分が彼女たちに興味を持たないはずがなかった。そして、大学の近くにあるブックオフで今作を衝動買いした。決して安くはなかったが、全曲集となれば値段は気にならなかった。

洗練されたポップな曲に作り込まれたサウンド、丁寧で美しいコーラスワーク。本当に心地良い曲ばかりで、あっという間に全曲聴き終えてしまった。「これだよこれ!俺が聴きたかったの!」という感覚があった。自分が思うアイドルポップスの理想というか…

ブックレットに掲載された、今見てもお洒落だと思うような過去の作品のアートワークの数々にも引き込まれた。今作で全曲を揃えたからほぼ意味は無いとわかっていても、過去の作品を揃えたいと思うほどだった。

 

顔見知り部門

 

詩人の血「i love ‘LOVE GENERATION’」…今年新たに出逢ったアーティストの中でも特にハマったのが詩人の血だと思う。そのラストアルバムが今作。個人的にも詩人の血のアルバムの中で最後に入手したのが今作。紹介されたブログを見るに、自分の好みのどストライクな気がしていたので、兼ねてから聴くのが楽しみだった。

渋谷系テイストの生音主体なポップスとなればハマらないはずがなかった。ホーンがかなり前面に出ているのが特徴で、辻睦詞の突き抜けるようなハイトーンボイスとぴったり合っていた。ひねくれた要素もいつになく薄れ、ストレートなポップに向き合ったようなイメージがある。サウンドの聴きごたえや、どうやったら思いつくのかと思ってしまうようなメロディーの数々は絶品。「これ好き!」となる曲が次から次に出てきた。詩人の血のアルバムの中で一番好きな作品となった。

 

高橋幸宏「WHAT,ME WORRY?」…高橋幸宏は1月に収穫した「NEUROMANTIC」を聴いてハマり、自分がニューウェーブニューロマンティックを掘り下げるきっかけになった。今作は「NEUROMANTIC」の次作であり、日本のロックにおける名盤としても扱われることがある作品。高橋幸宏の最高傑作との呼び声も高い。本当はもっと早く入手したかったものだが、ここまでもつれてしまった。

前作は「ロマン神経症」というサブタイトルがついていただけあって、全編を通して陰のある作風だった。しかし、今作はそのような雰囲気が一気に薄れ、ロック色の強い明るい作風となった。UKのニューウェーブ関連のミュージシャンが多く参加し、彼らとの才能のぶつけ合いも圧巻。ポップで格好良い曲が揃った。また、日本語詞の曲も増え、ボーカリストとしての高橋幸宏もより楽しめるようになった。これぞ名盤。

 

とりあえず、こんな感じ。次回はまたいつか。