詳説・惜しくも受賞を逃した作品 2018年6月編
「収穫月間MVP」を受賞する作品があれば、それぞれの部門で2作のみという枠の都合によって惜しくもそれを逃してしまう作品も生まれる。しかし、そのような作品たちも受賞した作品と同じくらい良いと思ったわけで、それを広めずにいるのはあまりにも勿体無い。
こうした理由で毎回「惜しくも受賞を逃した作品」を紹介している。
今回の「惜しくも受賞を逃した作品」たちは以下の通り。
初めまして部門
・麻績村まゆ子「すくすく」(2002年)
- アーティスト: 麻績村まゆ子,MaMi-choco,川菜翠
- 出版社/メーカー: サイトロン・デジタルコンテンツ
- 発売日: 2002/03/20
- メディア: CD
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・渡辺満里奈「EVERGREEN」(1987年)
・有近真澄「too too」(1991年)
顔見知り部門
・堂島孝平「smiles」(2006年)
- アーティスト: 堂島孝平,前田憲男,Hi-Tension Please!,會田茂一
- 出版社/メーカー: 徳間ジャパンコミュニケーションズ
- 発売日: 2006/02/22
- メディア: CD
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・1986オメガトライブ「Crystal Night」(1987年)
このような顔ぶれとなった。
初めまして部門…
・麻績村まゆ子「すくすく」…麻績村まゆ子の声優としての活躍も知らない人間なのだが、フォロワーさんの好きなアルバムランキングで比較的上位に入っていたので、前から気になっていた作品だった。
様々なアルバムをリリースしていたが、その中でも今作は歌入りの作品に特化したベスト盤的な作品のようだ。可愛らしい中に、聴いていて思わず胸が締め付けられるような切なさも感じられる歌声だった。訴求力のある歌声はまさに自分好み。曲の完成度もかなりのもの。「あ・こ・が・れ」は特に好きな曲。これからはこの曲がぴったりな季節になるので、夏のお供として聴いていきたい。
・渡辺満里奈「EVERGREEN」…タレントとしての渡辺満里奈しか知らなかったのだが、あるフォロワーさんが今作を高く評価していたので、気になって探していた。
全体を通して、上質でお洒落なポップスが展開されていた作品だった。山川恵津子によるカラフルなアレンジが冴え渡っており、今作の上質さを演出していた。シンセの音色は今となっては古臭さも感じられるが、凝った音作りには引き込まれた。渡辺満里奈の歌声は好き嫌いが分かれそうだが、それに合った曲やアレンジが揃えられている印象で、それほど気にならなかった。この路線の作品は他にも数作あるので、そちらも聴いてみたい。
・有近真澄「too too」…今まで名前すら知らなかったアーティストなのだが、フォロワーさんのブログで高評価だったので探していた。ニューウェーブ色の強い楽曲を得意としたアーティストであり、ニューウェーブにハマった自分にはぴったりだった。
ひねくれているが、ポップ。フレンチポップスやエレクトロ、ニューウェーブなど多彩なジャンルを取り入れ、複雑に作り込まれたサウンドに圧倒された。有近真澄独特の中性的な歌声も相まって、何とも掴み所のない作品となっている。曲そのものの完成度や、凝りに凝ったサウンド面は今でも通用すると思う。
顔見知り部門…
・堂島孝平「smiles」…堂島孝平は去年にハマり、かなり好きな男性シンガーソングライターとなっている。それでも、2000年代に入ってからの作品はあまり聴いてこなかった。失礼だが、才能が枯渇してしまったのではと邪推していたからだ。そのような中で今作を入手して、聴いた。
今作を聴き終えた頃には、前述した考えを持っていた自分を心底馬鹿だと思った。どこまでもポップなメロディーの数々と、お洒落で聴きごたえのあるサウンドに引き込まれるばかりだった。自分が思う堂島孝平の全盛期は2ndアルバム「陽だまりの中に」〜6thアルバム「黄昏エスプレッソ」までなのだが、その頃の作品と同じくらい好きになった。
1986オメガトライブ「Crystal Night」…カルロス・トシキがボーカルを担当していた頃のオメガトライブだが、以前「DOWN TOWN MYSTERY」を聴いて良いと思った。今作もかなり人気が高い作品という印象だったので、期待しつつ入手した。
生音によるシティポップ・AORへのアプローチを想像していたが、今作は打ち込みを多用したポップナンバーが並んだ作品だった。これまでよりもさらに都会的な雰囲気が増していた。それでも、これまでのわかりやすくポップなメロディーはそのままだった。当時の流行を体現したような、派手で攻撃的なアレンジは笑ってしまうほどだったが、それはそれで楽しめた。
とりあえず、こんな感じ。次はまたいつか。