詳説・収穫月間MVP 2018年3月編

管理人のツイッター界隈では毎月第2土曜日恒例?の行事である「#収穫月間MVP」の発表日がやって来た。

 

何度も説明してきたが、今一度「収穫月間MVP」についての説明を行う。

 

「収穫月間MVP」は前の月に初めて作品を入手したアーティストが対象の「初めまして部門」と、それ以前から作品を入手していたアーティストが対象の「顔見知り部門」とがある。それぞれ2作品ずつ。

以前から作品を入手していたが、塩漬けにしていて聴いていなかった作品が対象の「感動の再会部門」と題した部門も一応ある。管理人は一度だけそれを適用したことがあるが、それ以降は対象作品が無かったため使っていない。

受賞作品と同時に「惜しくも受賞を逃した作品」も発表しているが、これは「他の月だったら受賞しただろうになあ…」「紹介しないでおくのはもったいないかな…?」と思った作品たちである。こちらもMVPと同じくらい素晴らしいと思ったし、他の方にも聴いていただきたい作品だ。

 

長くなってしまったが前置きはここまで。ツイッターで既に受賞作品は発表したが、こちらでも発表させていただく。

 

初めまして部門

 

飯島真理「ROSÉ」(1983年)

ROSE

ROSE

 

 

田嶋里香「Greetings」(1996年)

Greetings

Greetings

 

顔見知り部門

 

スターダストレビュー「IN THE SUN,IN THE SHADE」(1989年)

IN THE SUN,IN THE SHADE

IN THE SUN,IN THE SHADE

 

アツミサオリ「空色ノスタルジー」(2006年)

空色ノスタルジー

空色ノスタルジー

 

惜しくも受賞を逃した作品

初めまして部門

森丘祥子「Pink&Blue」(1990年)

・MAYUMI「The Art Of Romance」(1993年)

・詩人の血「とうめい」(1990年)

米川英之「HALF TONE SMILE」(1994年)

佐藤聖子「SATELLITE☆S」(1995年)

・Contrary Parade「アイネ クライネ リヒトムジーク」(2013年)

 

顔見知り部門

・D-PROJECT「PAGES」(1993年)

・ANNA BANANA「High-Dive」(1993年)

・染谷俊「マーガレット」(1998年)

 

このような顔ぶれとなった。いつになく、女性ボーカルの作品が多めな印象がある。特に意識していたわけではないが。
ここからは、受賞した4作の簡単な感想を書いていく。

 

 

飯島真理「ROSÉ」…飯島真理は「愛・おぼえていますか」をかなり前に聴き、その曲しか知らない状態だった。その頃から、透明感と可愛らしさとを併せ持った歌声に魅かれていたが、本格的に作品を手に取ったのは今回が初だった。
坂本龍一がプロデュースを手掛けただけあって、全編通してシンセが大活躍している。実力派ミュージシャンが多数参加したことによって生まれた、隙のない生音としっかり両立している。徹底的に作り込まれているのに、どこまでもポップに仕上げるそのプロデュース能力に圧倒されたが、飯島真理のメロディーメーカーとしての実力にも驚かされた。どことなくひねくれた展開を見せつつも、サビで一気に聴き手の心を掴んで離さない。
歌声は期待していた通りだった。最初は「べたべたしてるなあ…」と思ってしまったのだが、あっという間に慣れて、心地良いものに変わる。その歌声は、幻想的な今作の世界観を演出していた。一曲一曲の完成度も素晴らしいものがあった。1stにして最高傑作と称されることが多いのも頷ける、確かな名盤だった。飯島真理の作品を、もっと聴き込んでいきたい。

 

 

田嶋里香「Greetings」…いつからかはわからないが、「90年代のガールポップを深堀りしてみよう!」と思い立って、その手のアーティストの作品を色々と漁り始めた。その中で作品を入手して、ハマったのが田嶋里香だった。
「声が美人」という何とも気持ち悪い表現をしてしまうのは恐縮だが、まさにそのようなフレーズがよく似合う。ふんわりしていて、聴いていて心地良い歌声。つまりは自分にとっての「理想の女性ボーカル」である。

それに確かなポップ性を持った曲が並んでいれば、まずハズレは無い。90年代特有の、キラキラシンセサウンドが多用されたポップスには一切の隙がない。1stアルバム「RIKA」も聴いて良いと思ったのだが、こちらは田嶋里香にハマるきっかけとなった「My Friend」が収録されているので、今作に僅差で軍配が上がった形。田嶋里香はアルバム未収録のC/W曲が多いので、シングルを気長に探していきたいと思う。

 

 

スターダストレビュー「IN THE SUN,IN THE SHADE」…スターダストレビューは、かなり前から楽曲やその名前を知っていた。とはいえ「今夜だけきっと」「夢伝説」「木蘭の涙」の3曲しか知らなかったのだが、それでも好きなバンドだった。先月になって、深く聴いてみようとふと思い、オリジナルアルバムを入手した形だ。

洗練された、都会的な雰囲気に溢れた作品だった。それでいて、どの曲もポップ。ほとんどの楽曲の作曲、全曲の編曲を三谷泰弘が手がけていたことには驚いた。個人的には、山下達郎のライブでコーラスを担当しているイメージが強かったためだ。スターダストレビューに在籍していたことは知っていたが、楽曲制作にここまで大きく関与していたとは思わなかった。ボーカリストとしても、根本要に負けず劣らずの存在感を発揮していた。

春に聴いても十分楽しめたが、夏が似合う曲が多く並んでいるので、夏に聴いたらもっと楽しめると感じた。今作でスターダストレビューにハマれたので、他の作品もどんどん聴いていきたいと思う。

 

 

アツミサオリ「空色ノスタルジー」…アツミサオリは昨年「もう少しもう少し…」のシングルを入手していた。歌声が自分好みで、もっと聴いてみたいと思っていたのだが、肝心のアルバムが中々見つからずに悶々としていた。それから1年が経って、やっと今作を入手することができた。今作はフォロワーさんの好きなアルバムランキングで紹介されていて、名盤であることはある程度察しがついていた。

「ギター系女性シンガーソングライター界隈の傑作」とでも言いたくなるような作品だった。どこをどう切り取ってもポップ。全曲がしっかりと耳に残った。アツミサオリ特有の、ふわっとした可愛らしい歌声がとにかく映える曲ばかり。シンプルで温かみのあるバンドサウンドもたまらない。入手するまで苦戦したのに見合うだけの、確かな名盤だった。これからもずっとお世話になりそうだ。

 

とりあえず、こんな感じ。「惜しくも受賞を逃した作品」の感想はまた後日。