詳説・収穫月間MVP 2018年2月編

管理人のツイッター界隈では毎月第2土曜日恒例?の行事である「#収穫月間MVP」の発表日がやって来た。

 

昨年は無計画に大量の収穫を行っていたため消化に苦戦していたものの、昨年末くらいから計画的な購入を心がけるようになったので消化に苦戦することはなくなった。少しだけ成長したのかもしれない。

 

何度も説明してきたが、今一度「収穫月間MVP」についての説明を行う。

 

「収穫月間MVP」は前の月に初めて作品を入手したアーティストが対象の「初めまして部門」と、それ以前から作品を入手していたアーティストが対象の「顔見知り部門」とがある。それぞれ2作品ずつ。

以前から作品を入手していたが、塩漬けにしていて聴いていなかった作品が対象の「感動の再会部門」と題した部門も一応ある。管理人は一度だけそれを適用したことがあるが、それ以降は対象作品が無かったため使っていない。

受賞作品と同時に「惜しくも受賞を逃した作品」も発表しているが、これは「他の月だったら受賞しただろうになあ…」「紹介しないでおくのはもったいないかな…?」と思った作品たちである。こちらもMVPと同じくらい素晴らしいと思ったし、他の方にも聴いていただきたい作品だ。

 

長くなってしまったが前置きはここまで。ツイッターで既に受賞作品は発表したが、こちらでも発表させていただく。

 

初めまして部門

Instant Cytron「Change This World」(1995年)

CHANGE THIS WORLD

CHANGE THIS WORLD

 


米村裕美「もういちどあの場所へ」(1991年)

もういちどあの場所へ

もういちどあの場所へ

 

 

 顔見知り部門

 

・PINK「光の子」(1986年)

光の子

光の子

 

 

山口由子「COVER GIRL」(1996年)

COVER GIRL

COVER GIRL

 

 

惜しくも受賞を逃した作品

初めまして部門

黒川芽以「10 sprout」(2007年)

豊崎愛生「love your life,love my life」(2011年)

原田真二「DOING WONDERS」(1986年)

一風堂「ESSENCE:THE BEST OF IPPUDO」(2010年)

・benzo「DAYS」(1999年)

 

顔見知り部門

角松敏生「TOUCH AND GO」(1986年)

GRASS VALLEY「瓦礫の街〜SEEK FOR LOVE〜」(1990年)

黒沢健一「Focus」(2009年)

米光美保「FOREVER」(1995年)

山下達郎「POCKET MUSIC」(1986年)

 

このような顔ぶれとなった。先月に引き続き、80年代デビューのアーティストの作品が比較的多くなった。今年の初めに「今年は80年代を掘り下げる」という旨の宣言をしたことが影響しているのだろうか?特に意識しているわけではないのだが。

 

ここからは、それぞれの部門で受賞した4作品の簡単な感想を書いていく。

初めまして部門

 

Instant Cytron「Change This World」…このユニット及び作品を知ったのは去年の12月頃。今作に収録されている「しあわせな時間」をYouTubeで耳にして、ボーカルの片岡知子の可愛らしい歌声や卓越したポップセンスに魅かれて以来、今作を探し求めていた。その1曲だけで今作が素晴らしい作品であり、Instant Cytronが自分好みのアーティストであると判断したというわけだ。

やっと入手して聴いたが、自分の判断は何ら間違っていなかった。聴いているとワクワクするようなきらめき、子供の頃を思い出させてくれるような懐かしさや切なさを持ったメロディーに彩られたポップスが展開されていた。ただただ、聴いていて心地が良い。それは、シンプルなバンドサウンドと、徹底的に練られたホーンやストリングスのアレンジによるものが大きいと思う。

何より、片岡知子の歌声に終始魅了された。自分にとっての「理想の女性ボーカル」に片岡知子が加わった。いつまでだって聴いていたい。どうして終わりが来てしまうのだろう。そう思わせてくれる「しあわせな時間」をくれた。

余談だが、今作の裏ジャケットが大好きだ。小さな頃だけにしか見られなかった、夢の中のような光景が描かれたイラストがたまらない。個人的には、こちらが正規のジャケ写だと思っている。どのアーティストのジャケ写の中でも特に好きな部類に入ってくる。↓こんな感じ。

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米村裕美「もういちどあの場所へ」…米村裕美も昨年の12月に名前を知った。「素直になりたい」を聴いて、ふんわりとした優しく可愛らしい歌声と、懐かしさを感じさせる詞世界やメロディーに魅かれた。しばらく探していたが、先月にアルバム3作を入手して聴いた。

楽曲単位なら、前述した「素直になりたい」(3rdアルバム「うたをうたえば」収録)や2ndアルバム「How are you?」収録の「Treasure」が特に好きなのだが、アルバム単位だと1stの今作が好き。

「子供の頃の夏」をテーマにした、コンセプトアルバムに近い感覚のある作品である。派手さはあまり無い作品なのだが、どの曲も確かなポップ性を持っているので、すぐに耳に残る。当時売り出し中だった編曲家の亀田誠治が全曲の編曲を行なっているが、そのサウンドメイキングの技術が今作の大きな魅力でもある。バンドサウンドを主体にしつつ、シンセを絶妙なバランスで織り交ぜたサウンドは今作の懐かしさや心地良さを効果的に演出している。 

米村裕美はあまり著名なアーティストではないが、再評価されてもいいのではと感じさせてくれる作品だった。決して古びることのない確かなメロディーセンスや、 普遍性のある詞世界の持ち主であることを実感した。

 

顔見知り部門

 

PINK「光の子」…PINKは先月の「惜しくも受賞を逃した作品」で、彼らにハマったきっかけになった3rdアルバム「PSYCHO-DELICIOUS」を紹介したが、今作は2ndアルバム。

「無国籍サウンド」と形容される、後にも先にもPINKしか展開していなかったようなサウンド面が圧巻。それは格好良く、力強く、美しい。そのようなサウンドですらかき消さんばかりの勢いで「雄叫び」を披露する福岡ユタカのボーカルはもはや誰にも止められない。止める気も起こらないほどのパフォーマンスだ。

今作は、最初から最後まで全速力で駆け抜けていくような感覚を持った作品となっている。そのためか、圧倒的なサウンド面やボーカルという魅力がさらに引き立てられている印象がある。もちろん、各楽曲の完成度も素晴らしいものがある。各作品共に聴き込みが浅いので説得力が無いが、今のところPINKの作品の中で一番好き。

 

山口由子「COVER GIRL」…山口由子に関しては、ギターの弾き語りに傾倒した頃の作品を最初に聴いた。その頃は本気でハマるまでには至らなかったものの、昨年末に90年代ガールポップの超王道な作品「しあわせのみつけかた」を聴いて、その歌声やポップ性に魅かれた。今作はその路線を引き継ぎ、さらにポップ性を高めたものとなっている。

今作について、あるフォロワーさんはZARDをやってる」と称していた。「まさか…そんなわけ…」と思って聴いてみたら、おっしゃる通りだった。

「外れ曲無し」とは今作のような作品のことを言うのだろう。10曲で46分程度というかなりコンパクトな作品なのだが、その全ての曲の完成度が高い上に、流れが完璧。そして、全曲が自分好み。

可愛らしさ、透明感、優しさ、力強さ、訴求力…あらゆる要素を備えた山口由子の歌声は、まさに僕にとっての理想そのものだ。他の作品よりもその魅力が遺憾無く発揮されている印象があった。

まだ出逢ってから日が浅いのだが、全ての女性ボーカルの作品の中でも特に好きな作品に入ってくる。そんな確信を持てた名盤だった。

 

とりあえず、こんな感じ。「惜しくも受賞を逃した作品」の感想はまた後日。乞うご期待。