詳説・惜しくも受賞を逃した作品 2018年9月編

惜しくも受賞を逃した作品は以下の通り。

 

初めまして部門

市井由理「JOYHOLIC」(1996年)

藤井隆「light showers」(2017年)

・岩﨑元是&WINDY「The all songs of WINDY」(2012年)

・新川忠「Paintings of Lights」(2015年)

たむらぱん「ノウニウノウン」(2009年)

浜本沙良「Truth Of Lies」(1995年)

・古家学「僕が歩く場所」(1997年)

チェキッ娘「CXCO」(1999年)

 

顔見知り部門

大沢誉志幸「in・Fin・ity」(1985年)

かの香織「fine」(1991年)

・THE HAKKIN「情緒」(2015年)

 

このような顔ぶれとなった。久し振りに多くの作品を入手し、いつもに増して充実した内容となっていると思う。今回の収穫月間MVPの選定はこれまでの中でも特に苦労した。

 

早速、↑で挙げた作品の簡単な感想を述べていく。

 

市井由理「JOYHOLIC」(1996年)

JOYHOLIC

JOYHOLIC

 

市井由理EAST END×YURIのイメージが強く、ソロ作品は聴いたことが無かった。ソロ歌手・市井由理としての唯一のアルバムが今作だが、渋谷系の隠れた名盤として語られることもあり、それで気になって探していた。

お洒落かつポップ、それでいてどこか斜に構えたような雰囲気を持った曲ばかりだった。渋谷系界隈のミュージシャンが多数参加しただけあって、どの曲にも確かな聴きごたえがあった。市井由理のふわふわとした歌声も不思議とそのような曲やサウンドに合っており、聴いていて心地良かった。隠れた名盤と称されるのも頷けるだけの充実感がある作品。


藤井隆「light showers」(2017年)

light showers

light showers

 

藤井隆は芸人がメインでたまに俳優として活動しているイメージが強く、音楽活動に関しては「ナンダカンダ」しか知らない状態だった。今作はフォロワーが絶賛していたこと、テーマが「90年代のCMソングみたいな曲」という旨のもので興味を持ったため、入手した。確かに聴いてみると、現代の音だが何故か懐かしさを感じさせる曲ばかりだった。「全曲に架空のCMタイアップがついている」という設定だけあって、90年代をリアルタイムで過ごしたわけではないのに、当時の深夜番組のCMでも見ているような感覚に襲われた。今作のダイジェスト動画(架空のCM集)も遊び心に満ちたもので面白い。↓ コンセプトアルバムとして徹底された名盤だと思う。

 

https://m.youtube.com/watch?v=UVns0T9Gsr4

 

・岩﨑元是&WINDY「The all songs of WINDY」(2012年)※オリジナルのリリースは1986年・1987年。

The all songs of WINDY

The all songs of WINDY

 

岩﨑元是&WINDYは数ヶ月前にフォロワーのツイートで名前を知った80年代のバンド。YouTubeで数曲聴いたところ、大滝詠一山下達郎オメガトライブ(杉山清貴)を彷彿とさせる曲が多く、好みのど真ん中だった。オリジナルアルバムは2作のみだが、そのどちらもプレミアがついていてそれなりの高値で売られていた。よく行く中古屋にて、2012年にリリースされた岩﨑元是&WINDYの全曲集である今作がたまたま入荷しており、すかさずそれを購入した形。

爽やかで心地良い、洗練されたリゾートミュージック・シティポップを楽しめた。ウォール・オブ・サウンドを取り入れた、分厚いサウンドやコーラスワークも曲によく合っており、一部のナイアガラ関連のファンにも支持された理由がわかった。岩﨑元是のクセのない歌声も曲の心地良さを演出していた。来年の夏は今作と共に過ごしたいと思う。

 

・新川忠「Paintings of Lights」(2015年)

Paintings of Lights

Paintings of Lights

 

新川忠及び今作はフォロワーのブログで紹介されており、それで名前を知った。YouTubeで収録曲の「カミーユ・クローデル」「アイリス」を聴き、どちらも自分好みだったので入手した。

80年代のシティポップ・AORのテイストに加え、シンセポップ・ニューウェーブのテイストも感じさせる作風がたまらない。Prefab Sproutを想起させるサウンドで、透明感があって美しいものばかりだった。西洋芸術の影響を取り入れた詞世界も、甘美なメロディーや幻想的なサウンドとよく合っていた。また、作詞・作曲・編曲・歌・演奏・録音・ミックスとあらゆる工程を自らこなす新川の職人的な姿勢にも驚かされた。作風は違うとは思うが、これまでの2作のアルバムも聴いてみたい。

 

たむらぱん「ノウニウノウン」(2009年)

ノウニウノウン(初回限定盤)(DVD付)

ノウニウノウン(初回限定盤)(DVD付)

 

たむらぱんはCMソングのイメージが強く、独特な歌声とその風変わりなアーティスト名が印象に残っていた。今作はフォロワーの好きなアルバムランキングでも比較的上位に入っており、どのような作品か気になっていた。

聴き流しているだけでも、本当に同じアーティストが作ったのかと思ってしまうほどに多彩な曲調が揃っていた。「変幻自在」というフレーズがよく似合うメロディーメーカーだと実感した。伸びのある澄んだ声も相まって、聴いていて心地の良い曲ばかり。たむらぱん本人による、徹底的に作り込まれたアレンジの数々にも圧倒された。他の作品も聴いてみたいと思った。

 

浜本沙良「Truths Of Lies」(1995年)

Truth of Lies

Truth of Lies

 

80年代後半〜90年代後半のマニアックなガールポップ系アーティストを探っていくというのは、今年の自分の収穫生活における大きなテーマの一つだと思っている。その中で見つけたのがこのアーティスト。

当時同じフォーライフ所属だった今井美樹のような甘く艶のある歌声が映える、都会的な雰囲気のある作風だった。シティポップ・AORのテイストを取り入れた曲に加え、ジャズやボサノバの要素を持った曲もあり、サウンド面にも聴きごたえがあった。前作「Puff」も入手したい。

 

・古家学「僕が歩く場所」(1997年)

僕が歩く場所

僕が歩く場所

 

古家学は自分よりも先にフォロワーがハマって色々と布教していたイメージが強く、それで自分も気になっていた。YouTubeで今作の収録曲を少し聴いてみたところ、自分の好みだったのですぐに今作を入手した。

浜田省吾を思わせる、ストレートで力強いロック・ポップスを楽しめる作品だった。初めて聴いたはずなのに、遠い昔にどこかで聴いたことのあるような…そうした感覚があった。少し掠れた甘い歌声もかなり好き。自分で好きなアーティストは色々と見つけてきたつもりだが、今回のように見つけられないこともよくある。フォロワーからの布教はそうした存在を拾い上げるきっかけになるので貴重だ。今作はもうハマったので、古家学の他の作品も探してみようと思う。

 

チェキッ娘「CXCO」(1999年)

CXCO

CXCO

 

元メンバーの熊切あさ美下川みくにの影響で、チェキッ娘という名前自体は割と前から知っていた。ただ、曲は全く知らない状態。去年〜今年で一気にアイドルポップスにハマったためチェキッ娘にも興味を持ち、唯一のオリジナルアルバムである今作を手に取った。

充実したコーラスワークが心地良い、どこか懐かしく切ないポップスの数々は自分の求めるアイドルポップスの典型だった。ダンスパフォーマンスに力を入れるアイドルグループは多くあれど、コーラスワークに力を入れるアイドルグループというのはかなり少ないと思う。良い意味での「素人臭い」雰囲気は今でも良いと思えるだけの力がある。

 

顔見知り部門

 

大沢誉志幸「in・Fin・ity」(1985年)

in・fin・ity

in・fin・ity

 

「そして僕は途方に暮れる」はかなり前から好きな曲で、長らくその曲しか知らない状態だった。昨年にベスト盤を入手してバラード以外の面を知って、さらに聴き込もうと思いつつも放置していた。今作はフォロワーのブログで高評価だった上に、PINKのホッピー神山岡野ハジメ・矢壁アツノブが参加していたため、オリジナルアルバムの中で今作を最初に入手した。

予想通り、生音・シンセ共に凄まじい聴きごたえのある曲ばかりだった。ホッピー神山のアレンジも冴え渡っており、今作の格好良さを演出していた。「そして僕は途方に暮れる」の影響で、大沢誉志幸はバラードシンガーとしてのイメージがかなり強い。当然今作でもそうした曲はあるのだが、それ以上にファンクナンバーの印象が強い作品。ファンクナンバーでは勢いのあるボーカルを聴かせてくれる。大沢誉志幸はバラードシンガーだと思っている方にこそ聴いていただきたい名盤。

 

かの香織「fine」(1991年)

ファイン

ファイン

 

かの香織は今年から聴き始めた女性アーティストの中でも特に好きな方に入ってくる。渋谷系やシティポップのテイストを感じさせる、お洒落でポップな作風は自分好みそのもの。自分にとっては、鈴木祥子と並んで数少ない「女性ポップス職人」と言える存在。

今作はかの香織のソロデビュー作で、佐久間正英が全面的なプロデュースを手掛けている。ショコラータ時代のエキセントリックな部分はぐっと抑え、ナチュラルで親しみやすいポップスを追求した作品という印象。シンセ主体の飾り過ぎないアレンジもそれを引き立てる。どの曲もしっかりメロディーが残るのが見事。かの香織の卓越したポップセンスには脱帽するばかり。

 

・THE HAKKIN「情緒」(2015年)

情緒

情緒

 

THE HAKKINは1月に前作「晩成」を入手し、80年代のソニー系バンドのような楽曲の数々に魅了された。楽曲だけでなく、アートワークの数々も凝っている。実際にアルバムを入手していただけるとわかるが、ケースのあらゆる部分に80年代のソニー系アーティストの作品を思わせる部分が散りばめられている。その手の作品を集める自分は思わずニヤリとしてしまった。「晩成」の次作で、最初で最後のフルアルバムとなった今作もその路線を突き詰めたものだった。

80年代のニューウェーブニューロマンティックを今の音で蘇らせたような曲たちは、世代ではないのに何故か懐かしいと思ってしまうほどだった。色気のある低音が持ち味のボーカル・長澤佑哉の歌声が映える曲が揃っており、ギターの浅野麻人・ベースの春日賀賀も味わい深い演奏で曲を彩る。80年代に影響を受けた若手アーティストは多くいるが、中でも80年代後半のバンド(特にソニー系)を彷彿とさせる曲を展開しているのはTHE HAKKINくらいだったと思う。2015年11月に「バブル崩壊」と称して活動を終えたが、それが非常に惜しまれる。

 

今回はこんな感じ。次はまたいつか。

詳説・収穫月間MVP 2018年9月編

今月も「#収穫月間MVP」発表の時期がやってきた。いつもは受賞作品を発表した直後にこの記事を更新するのだが、今回は少し遅れた更新となる。早速受賞した作品を挙げていこう。

 

初めまして部門

 

レベッカREBECCA Ⅳ Maybe Tomorrow」(1985年)

REBECCA IV~Maybe Tomorrow~

REBECCA IV~Maybe Tomorrow~

 

 

QlairQlair Archives」(2005年)

アイドル・ミラクルバイブルシリーズ Qlair Archives

アイドル・ミラクルバイブルシリーズ Qlair Archives

 

 

顔見知り部門

 

詩人の血「I love ‘LOVE GENERATION’」(1993年)

i love`LOVE GENERATION'

i love`LOVE GENERATION'

 

 

高橋幸宏「WHAT,ME WORRY?」(1982年)

What,Me Worry?

What,Me Worry?

 

 

惜しくも受賞を逃した作品

 

初めまして部門

市井由理「JOYHOLIC」(1996年)

藤井隆「light showers」(2017年)

・岩﨑元是&WINDY「The all songs of WINDY」(2012年)

たむらぱん「ノウニウノウン」(2009年)

浜本沙良「Truth Of Lies」(1995年)

・新川忠「Paintings of Lights」(2015年)

・古家学「僕が歩く場所」(1997年)

チェキッ娘「CXCO」(1999年)

 

顔見知り部門

大沢誉志幸「in・Fin・ity」(1985年)

かの香織「fine」(1991年)

・THE HAKKIN「情緒」(2015年)

 

このような顔ぶれとなった。今年は1980年代の作品をより深く突き詰めようと考えて始まったが、それが反映された作品が多くなっていると思う。

 

それでは、受賞した作品の簡単な解説と感想を書いていこう。

初めまして部門

 

レベッカREBECCA Ⅳ Maybe Tomorrow」…レベッカに関しては、長らく「フレンズ」しか知らない、ただその曲が大好きという状態だった。しかし、LINDBERGJUDY AND MARYといったレベッカに影響を受けたと思われるバンドはもれなく好きだ。しっかり聴けばハマると思い、特に人気の高い今作を手に取った形。自分が入手したのは2013年リマスター・Blu-Spec CD2盤。

当時大ヒットを記録した作品というだけあって、バンドサウンドとシンセとを見事に両立させたロック・ポップスが展開されていた。天下を取るきっかけになったと言える「フレンズ」も収録されており、やはり全体を通しての勢いが凄まじい。どの曲がシングル曲かわからなくなるほどだった。後半になればなるほど勢いを増していく構成にも圧倒された。80年代の王道なヒットアルバムと言ったところ。

 

QlairQlair Archives」…90年代はアイドル不遇の時代とよく言われるが、その中でも素晴らしい曲を残したアイドルは多くいた。曲の完成度に拘るアイドル「楽曲系」「楽曲派」の元祖とも称されるQlairはその代表格だろう。去年〜今年にかけてすっかりアイドルポップにハマった自分が彼女たちに興味を持たないはずがなかった。そして、大学の近くにあるブックオフで今作を衝動買いした。決して安くはなかったが、全曲集となれば値段は気にならなかった。

洗練されたポップな曲に作り込まれたサウンド、丁寧で美しいコーラスワーク。本当に心地良い曲ばかりで、あっという間に全曲聴き終えてしまった。「これだよこれ!俺が聴きたかったの!」という感覚があった。自分が思うアイドルポップスの理想というか…

ブックレットに掲載された、今見てもお洒落だと思うような過去の作品のアートワークの数々にも引き込まれた。今作で全曲を揃えたからほぼ意味は無いとわかっていても、過去の作品を揃えたいと思うほどだった。

 

顔見知り部門

 

詩人の血「i love ‘LOVE GENERATION’」…今年新たに出逢ったアーティストの中でも特にハマったのが詩人の血だと思う。そのラストアルバムが今作。個人的にも詩人の血のアルバムの中で最後に入手したのが今作。紹介されたブログを見るに、自分の好みのどストライクな気がしていたので、兼ねてから聴くのが楽しみだった。

渋谷系テイストの生音主体なポップスとなればハマらないはずがなかった。ホーンがかなり前面に出ているのが特徴で、辻睦詞の突き抜けるようなハイトーンボイスとぴったり合っていた。ひねくれた要素もいつになく薄れ、ストレートなポップに向き合ったようなイメージがある。サウンドの聴きごたえや、どうやったら思いつくのかと思ってしまうようなメロディーの数々は絶品。「これ好き!」となる曲が次から次に出てきた。詩人の血のアルバムの中で一番好きな作品となった。

 

高橋幸宏「WHAT,ME WORRY?」…高橋幸宏は1月に収穫した「NEUROMANTIC」を聴いてハマり、自分がニューウェーブニューロマンティックを掘り下げるきっかけになった。今作は「NEUROMANTIC」の次作であり、日本のロックにおける名盤としても扱われることがある作品。高橋幸宏の最高傑作との呼び声も高い。本当はもっと早く入手したかったものだが、ここまでもつれてしまった。

前作は「ロマン神経症」というサブタイトルがついていただけあって、全編を通して陰のある作風だった。しかし、今作はそのような雰囲気が一気に薄れ、ロック色の強い明るい作風となった。UKのニューウェーブ関連のミュージシャンが多く参加し、彼らとの才能のぶつけ合いも圧巻。ポップで格好良い曲が揃った。また、日本語詞の曲も増え、ボーカリストとしての高橋幸宏もより楽しめるようになった。これぞ名盤。

 

とりあえず、こんな感じ。次回はまたいつか。

最近聴いた作品のメモ

大沢誉志幸「in・Fin・ity」(1985)

in・fin・ity

in・fin・ity

 

「そして僕は途方に暮れる」でバラードシンガーとして定着し、その路線のまま行くのかと思いきや、エレクトロファンク路線に傾倒した作品。ニューウェーブ、ファンクを始めとした雑多な音楽性が特徴のバンド・PINKのホッピー神山が全曲の編曲を担当し、ベースの岡野ハジメ、ドラムの矢壁アツノブも演奏で参加している。また、シンセをかなり前面に出した曲もある。ダンサブルでファンキーな曲、美しいメロディーと色気のあるボーカルを楽しめるバラードとバランスも良い。充実したメロディーや演奏を堪能できた。

メロディー…ひねくれた部分も多くあるが、結局はキャッチー。作曲家としてデビューしただけある。「そして僕は途方に暮れる」の路線を求めるリスナー向けの曲も一部あり。

サウンド面…生音もシンセも凄まじい聴きごたえ。間奏でさえも聴き逃しは厳禁。PINK好きなら聴いとけ。

【収録曲と雑な評価】


彼女はfuture-rhythm A

Lady Vanish A

inFinity C

盗まれた週末 B

Love study C

レプリカ・モデル B

最初の涙 最後の口吻 B

熱にうかされて B

恋にjust can’t wait A

 

★★★★★

 

レベッカREBECCA Ⅳ Maybe Tomorrow」(1985)

REBECCA IV~Maybe Tomorrow~

REBECCA IV~Maybe Tomorrow~

 

「フレンズ」のヒットを受けてリリースされただけあって、全編通してとにかくポップでロック。真ん中のやたらと壮大なインスト曲が箸休め的な存在を果たしているが、後半になっても勢いが全く落ちない。10曲があっという間に過ぎていく感覚がある。名盤と称されることが多いのも頷ける。そりゃ売れるわ。土橋安騎夫すごいよ。NOKKOもカリスマ性すごい。

あと、JUDY AND MARY(YUKI)がレベッカ(NOKKO)の影響を強く受けたようだが、確かにジュディマリの先祖と言われても違和感が無い。LINDBERGジュディマリ辺りが好きならハマれそう。というか聴くべき。

メロディー…全編通してポップ&ロックでキャッチー。土橋安騎夫のメロディーセンスが冴え渡る。

サウンド面…80年代サウンドの王道。当時の洋楽からの影響がよくわかる。パワフルなリズム、ゲートリバーブかけ過ぎなドラム、随所で存在感を放つシンセ…

 

【収録曲とABC評価】
Hot Spice B

プライベイト・ヒロイン B

Cotton Time A

76th Star B

光と陰の誘惑 省略

ボトムライン C

ガールズ ブラボー! B

フレンズ A

London Boy C 

Maybe Tomorrow A

 

★★★★★

 

Prefab Sprout「38 carats collection」(1999)

38カラット・コレクション

38カラット・コレクション

 


洋楽を聴くことはあっても、邦楽のように深くハマることはあまりない。ただ、Prefab Sproutは自分にとってはXTC以来の深くハマるバンドになりそうだ。このベスト盤を聴いて実感した。あと、自分は70年代後半〜80年代のUKのニューウェーブニューロマンティック系が好きなようだ。これを聴いてそれがわかった。

Prefab Sprout、まずメロディーが素晴らしい。パディ・マクアルーン、天才。次にサウンドも素晴らしい。タイトで安定感のあるバンドサウンドとカラフルなシンセが絡めば聴き惚れるほかない。38曲入りのそこそこ重量級なベスト盤だが、すぐに聴けてしまった。

DISC2にしっとり系が集中し過ぎた感じが否めない。1曲単位だと美しいメロディーに聴き惚れるばかりだが、流石に何曲も並ぶとあまりに心地良くて眠くなってしまう。ただ、Prefab Sproutの入門には十分過ぎるほどのベスト盤なのは事実。


【収録曲とABC評価】

DISC1

Lions in My Own Garden (Exit Someone) C

Don’t Sing B

Couldn't Bear To Be Special C

When Love Breaks Down A

Faron Young B

Appetite A

Johnny Johnny B

Cars & Girls A

The King Of Rock'N'Roll A

Hey Manhattan! A

The Golden Calf A

Looking For Atlantis B

We Let The Stars Go A

Carnival 2000 C

The Sound Of Crying A

If You Don't Love Me A

Life Of Surprises A

A Prisoner Of The Past A

Electric Guitars B


DISC2


Cue Fanfare B

Cruel C

Bonny B

Moving The River B

Desire As C

Horsin' Around B

Pearly Gates C

'Til The Cows Cows Come Home C

Enchanted B

I Remember That B

Nightingales A

Jordan:the Comeback A

All The World Loves Lovers A

Jesse James Bolero B

Doo Wop In Harlem C

Life's A Miracle B

Swans C

Andromeda Heights B

Where The Heart Is B

 

詳説・惜しくも受賞を逃した作品 2018年8月編

「#収穫月間MVP」を受賞するのは各部門2作のみ。ただ、それ以外にもいいと思った作品は多くあるわけで、それを紹介しないまま埋もれさせるのは勿体無い。そうした理由から「惜しくも受賞を逃した作品」も発表している。

 

今回のラインナップは以下の通り。

 

初めまして部門

大橋利恵「Realize」(1997年)

REALIZE

REALIZE

 

 

渡辺学「the seasons」(1998年)

THE SEASONS

THE SEASONS

 

 

カラスは真っ白「おんそくメリーゴーランド」(2014年)

おんそくメリーゴーランド

おんそくメリーゴーランド

 

 

顔見知り部門

 

田中友紀子「君たちのくれた夏」(1993年)

君たちのくれた夏

君たちのくれた夏

 

 

渡辺満里奈「SUNNY SIDE」(1988年)

SUNNY SIDE

SUNNY SIDE

 

 

このような顔ぶれとなった。以下はこれらの作品たちの簡単な感想を書いていく。

 

大橋利恵「Realize」…フォロワーが「歌声がZARDに似てる」というような感じで時折話題に出す印象が強く、それで名前を知った。ZARDは好きなので、それにつられるように今作を入手した。

五十嵐充がプロデュースを手掛けただけあって、リリース当時のELTの作風そのままと言ったところ。知識無しで聴くと、どの曲がシングル曲かわからなくなるような力の入ったプロデュースだった。シンセをふんだんに用いた、キャッチーな王道J-POP。歌声もそれにぴったりの清涼感のあるものだった。作風が似たアーティストが多くいたとは言え、もう少し売れていても良かったのではと感じた。

 

渡辺学「the seasons」…渡辺学はこれまで全く名前を知らなかったが、いつも読んでいるブログで作品が紹介されており、それで興味を持った。シティポップ・AOR、ファンクを得意とするシンガーソングライターである。

今作は1stアルバムのようで、どちらかというと王道なJ-POPが多めだった印象。路線が定まっていなかったのだろうか?とはいえ、メロディーの良さやサウンド面の聴きごたえは変わらず。また、タイトル通りに四季をイメージさせる構成となっているのが印象的だった。コンセプトアルバムとしての趣も感じさせる作品だった。他の作品も探してみようと思う。

 

カラスは真っ白「おんそくメリーゴーランド」…YouTubeで耳にした曲が印象的で名前を知り、作品を入手した。自分にしては割と最近のアーティストの作品を手に取ったと思っていたのだが、昨年に解散してしまったようだ。アイドルを含めて、自分にはこうした現象がよく起こる。閑話休題

やくしまるえつこを彷彿とさせる、聴いていると変な気持ちが芽生えそうになるウィスパーボイスと、ファンキーなバンドサウンドの絡みが印象的な作品。帯文からもポップ性に拘っているのがわかったが、確かにどの曲も耳に残った。同じ路線の曲が揃い過ぎたためか、聴き終えると全曲が横一列になってしまった印象もあったが、この手のアーティストはやはり好きだ。

 

 

田中友紀子「君たちのくれた夏」…田中友紀子は4月に「Reflection」を入手してハマった。田中友紀子の作品はプレミアがついているのか、中古屋やオンラインショップをあたっても中々見当たらない。しかもそれなりの価格で出回っている。ただ、今作は運良く500円で入手できた。

村田和人がプロデュースと全曲の作編曲を手掛けただけあって、どの曲も清涼感のある仕上がり。シティポップやリゾートミュージックのテイストが強い曲ばかりで、暑い日に聴くにはうってつけだった。田中友紀子の爽やかで可愛らしい歌声も自分好みそのもの。

田中友紀子は90年代ガールポップの中でもそれなりにマイナーな方に入ると思うが、その中でシティポップ・リゾートミュージックへのアプローチをしたアーティストはあまりいなかったように感じる。僅かなリスナーだけに支持されるのも勿体無い。再発されたら新たなリスナーも出てくると思う。

 

渡辺満里奈「SUNNY SIDE」…渡辺満里奈は6月から3回連続で「#収穫月間MVP」及び「惜しくも受賞を逃した作品」の舞台に上がっている稀有なアーティストである。それだけ作品が自分好みということだと思っている。

ジャケ写やタイトルからも察しがつくように、リゾートミュージック色の強い作風だった。前作「EVERGREEN」で素晴らしいアレンジで作品を彩った山川恵津子に加え、井上鑑武部聡志も参加してさらにバラエティ豊かになった印象がある。とはいえ、渡辺満里奈の王道とでも言うのか、清楚で爽やかな雰囲気は何ら変わらない。前作で確立されたソロとしての渡辺満里奈のイメージを崩さないような、早くも安定感を感じさせる作品だった。

 

とりあえず、こんな感じ。次回はまたいつか。

詳説・収穫月間MVP 2018年8月編

毎月第2土曜日恒例と化した「#収穫月間MVP」の発表がやってきた。

そろそろルールに関しての説明も不要だろう。早速、受賞作品や惜しくも受賞を逃した作品を挙げていこう。

 

初めまして部門

 

小川博史「You Love Me」(1992年)

You Love Me

You Love Me

 

 

松浦有希「たったひとつの贈りもの」(1991年)

たったひとつの贈りもの

たったひとつの贈りもの

 

 

顔見知り部門

 

BUMP OF CHICKEN「RAY」(2014年)

 

花澤香菜「Opportunity」(2017年)

Opportunity(初回生産限定盤) (Blu-ray Disc付)

Opportunity(初回生産限定盤) (Blu-ray Disc付)

 

 

惜しくも受賞を逃した作品

 

初めまして部門

・大橋利恵「Realize」(1997年)

渡辺学「the seasons」(1998年)

カラスは真っ白「おんそくメリーゴーランド」(2014年)

 

顔見知り部門

・田中友紀子「君たちのくれた夏」(1993年)

渡辺満里奈「SUNNY SIDE」(1988年)

 

このような顔ぶれとなった。

ここからは受賞作品の簡単な感想を書いていく。

初めまして部門

 

小川博史「You Love Me」…曲も名前も全く知らない状態だったが、ある時に今作について紹介されたブログを見て知った。90年代のシティポップ・AORにおける隠れた名盤というような触れ込みであり、それで興味を持った。

期待通りの作品だった。清涼感溢れる小川博史のボーカルや、ポップかつ繊細なメロディーの数々がたまらなく心地良い。ロック色の強い曲もあれど、聴き心地の良さは全編を通して共通していた。特に気に入ったのはオープニングの「ハイウェイドライバー」。初めて今作を聴いた時は、中々次の曲に進めなくなってしまったほどに引き込まれた。

後に織川ヒロタカ名義で作品をリリースしているようだが、小川博史としてのアルバムは今作のみ。何かきっかけがあればすぐに再評価されるような作品ではないかと思う。

 

松浦有希「たったひとつの贈りもの」…松浦有希はアニソン関連での仕事が多いイメージで、どちらかというと作編曲家としての姿の印象の方が強かった。シンガーソングライターとしても活動していたことを知り、今作と前作の「星に願いを」を入手した。

可愛らしい歌声やポップなメロディーの数々がたまらない作品だった。ヨーロッパの民族音楽のような雰囲気を感じさせる、凝ったサウンド面も印象的。日常的な部分と現実離れしたメルヘンチックな世界観が両立した、不思議な詞世界と歌声がよく合っており、それも聴き心地の良さに繋がっていると思う。少々高値で入手したのだが、それに見合うだけの作品だった。

 

顔見知り部門

 

BUMP OF CHICKEN「RAY」…バンプは長らく自分の中での「しっかり聴けばハマる」という枠に入っていた。ふと思い立ち、収穫した直後からほぼ放置していた「jupiter」「ユグドラシル」を聴き、改めてその良さを実感した。その勢いのままに、フォロワー間でも人気のある今作を入手した形。

正直なところ、ここまで優しい作品なのかとびっくりした。衝動を思い切りぶつけるようなギターロックが王道だと思っていたからだ。ただ、優しさや温かみを前面に押し出した曲が増えても、優れたメロディーは健在だった。しっとりした曲でも確かに耳に残る。新たなバンプの魅力を知ったような感覚になった。ここからはもっとハマっていけそうだ。

 

花澤香菜「Opportunity」…長らく声優の作品というのは聴く気が起きなかったのだが、それを打ち破るきっかけになった存在こそが花澤香菜昨年9月に「claire」を入手してあっという間にハマってしまった。昨年のうちにオリジナルアルバム4作中3作を入手したが、今のところの最新作である今作は未入手のまま放置していた状態だった。それをようやく先月に入手した。

歌声に魅かれてここまで聴いてきた以上、苦手な作品になるはずもなかった。UKをテーマにしていたようだが、それに沿った曲はそこまで多くもなかった印象。「上質」「お洒落」といったこれまでの作品に共通した要素は今作でも共通していた。突出して好きな曲は無いのだが、世界観から外れた曲も無い。そのため、最初から最後まで淀みなく聴ける。ここまで来ると安定感しかない。次のアルバムはどうなるのだろう。

 

とりあえず、こんな感じ。次回はまたいつか。

詳説・惜しくも受賞を逃した作品 2018年7月編

「収穫月間MVP」を受賞する作品はそれぞれの部門で2作のみ。ただ、それ以外にも良いと思った作品の方がよっぽど多いわけで、それらを紹介しないのはあまりにも勿体無い。というわけで、毎度毎度「惜しくも受賞を逃した作品」を紹介している。2018年7月編のラインナップは以下の通り。

 

今回は顔見知り部門での「惜しくも受賞を逃した作品」は無し。全て初めまして部門。

 

和久井映見「Dearest」(1996年)

Dearest

Dearest

 

 

Cymbals「That’s Entertainment」(2000年)

That's Entertainment

That's Entertainment

 

 

・オトナモード「Watercolor」(2009年)

Watercolor(期間限定価格盤)

Watercolor(期間限定価格盤)

 

 

・小川美由希「mew club」(1987年)

MEW CLUB

MEW CLUB

  • アーティスト: 小川美由希
  • 出版社/メーカー: サウンド・マーケッティング・システム
  • 発売日: 1987/08/21
  • メディア: CD
  • この商品を含むブログを見る
 

 

・丸山みゆき「夢を見てますか」(1990年)

夢を見てますか

夢を見てますか

 

 

このような顔ぶれとなった。早速、上記の作品の簡単な感想を書いていく。

 

和久井映見「Dearest」…女優としての姿しか知らなかった。女優の音楽活動に何となく興味を持ってしまう性分なので、和久井映見の音楽活動も掘り下げてみたいと思った。そして、最初に手に取ったのが今作。

どうやら和久井映見のアルバムの中でも特にシティポップや渋谷系の色濃い作品になっているようだ。確かに、楽曲提供したミュージシャンの顔ぶれを見るとそのような印象を受けた。一曲一曲に聴きごたえがあったのは言うまでもない。そして、和久井映見のボーカルもとても聴き心地の良いものだった。やはり女優として活躍するだけあって、声にも魅力がある。

他にも数多くのアルバムがリリースされていたので、それらも聴いてみたいと思った。

 

Cymbals「That’s Entertainment」…Cymbalsそのものよりも、解散後のメンバー個々の活動の方が印象に残っていた。沖井礼二や矢野博康が関わった曲を聴く機会が多く、どれもお洒落で軽快で自分好みだったのでバンド時代も聴いてみようと思った。そして最初に聴いたのが今作。

1stとは思えないほどに完成度の高い、お洒落で都会的なポップス・ロックを楽しめた。可愛らしく遊び心に満ちた雰囲気にも引き込まれた。聴き流すのがとにかく心地良い曲ばかりで、どうして今まで聴いてこなかったのだろうと思うほどだった。他の作品や土岐麻子のソロ作品も聴き進めていきたい。

 

オトナモード「Watercolor」…オトナモードはフォロワーが以前に作品を入手してハマっていたという印象が強い。それに影響を受けた形で自分も今作を手に取った。

まさに王道J-POPを奏でるバンドといった感じ。聴いているとMr.Childrenスピッツ小田和正辺りからの影響がよく出ている。

当然自分の好みなのだが、「ただ爽やかなだけじゃ個性が無くてつまらない」だの「この手のバンドはいくらでもいる」だの考えて、こうしたバンドや曲を敬遠していた時期もあった。

その時期を経て今作を聴いたが、やはり好きだ。どんな変化球でも、自分にとっては王道には敵わない。そう思わせてくれた。

 

小川美由希「mew club」…小川美由希は今まで全く知らなかったが、自分が勝手に影響を受けているサイトで作品が高評価されていたので作品を探すようになった。今作はそのサイトで評価されていたものではないのだが、見かけること自体が稀なので気にはしていない。

プリプリの奥居香(岸谷)のような力強いボーカルと、ポップでキャッチーな曲たちの相性は抜群。ガールポップからさらに細かく分類するなら「ロック系」と言ったところか。とはいっても声量で圧倒するようなボーカルでもなく、可愛らしさもほんの少し感じられる。ロック系の女性ボーカルが苦手な自分でもハマれた。中々見かけないのは承知だが、他の作品も探してみたいと思う。

 

丸山みゆき「夢を見てますか」…今までは名前も知らない状態だったが、今作は収穫に行った中古屋で見かけることが多く、自然と名前や作品名を知った。調べて曲を聴いてみると、歌声が自分好みだったので今作を入手した。

その爽やかで可愛らしい歌声に魅かれた。今作は再デビュー作のようで、以前の作品よりも自ら作詞作曲した曲が増えているという。その歌声の魅力を引き出すような、ゆったりとした聴かせる曲が多い。そのため、全体を通して優しく温かみのある作風となっている。ガールポップといえば確かにそうだが、それよりもう少し前のニューミュージック的な雰囲気を感じた。ジャンルはどうあれ、自分好みな音楽なのは事実。

 

とりあえず、こんな感じ。次はまたいつか。

詳説・収穫月間MVP 2018年7月編

毎月の定期のようになっている「#収穫月間MVP」の発表日がやってきた。

もう何度となくこの記事を書いてはルールを説明してきたので、ルールの説明は省略させていただく。

それでは、早速発表していこう。

 

初めまして部門

 

・tipToe.「magic hour」(2018年)

magic hour

magic hour

 

 

magic hour

magic hour

 

 

SPANK HAPPY「“FREAK SMILE”」(1995年)

Standard of 90’sシリーズ「FREAK SMILE」(紙ジャケット仕様)

Standard of 90’sシリーズ「FREAK SMILE」(紙ジャケット仕様)

 

 

顔見知り部門

・Oh!Penelope「Milk&Cookies」(1997年)

Milk&Cookies

Milk&Cookies

 

 

渡辺満里奈「MISS」(1989年)

MISS

MISS

 

 

惜しくも受賞を逃した作品

 

初めまして部門

和久井映見「Dearest」(1996年)

Cymbals「That’s Entertainment」(2000年)

・オトナモード「Watercolor」(2009年)

・小川美由希「mew club」(1987年)

・丸山みゆき「夢を見てますか」(1990年)

 

顔見知り部門

該当作なし。

 

このような顔ぶれとなった。正直なところ、7月は初めて作品を入手したアーティストの方が多く、顔見知り部門の選定にはかなり苦戦してしまった。そもそも収穫した数自体が少ないというのもあるが。とはいえ、気に入った作品というのは変わらない。

 

それでは、受賞した作品の簡単な感想を書いていく。

 

・tipToe.「magic hour」…何がきっかけでこのアイドルグループの名前を知ったかは覚えていないが、曲を聴いてすぐにハマって今作を入手した。今年リリースの1stアルバム。

渋谷系ギターポップを想起させるお洒落でポップなサウンド、「青春」をテーマにした詞世界に引き込まれた。「みんなで青春しませんか?」というコンセプトで活動しているだけあって、眩しいほどに青く煌めく詞世界を堪能できる。また、ファミコンゲームでもやっているかのような打ち込みサウンド(チップチューン)も印象的。

構成としては既発曲がほとんどを占めていてベスト盤同然だが、9曲で35分半というコンパクトさも見事。何度でも聴けて何度でも楽しめそうな作品である。

 

 

SPANK HAPPY「“FREAK SMILE”」…SPANK HAPPY菊地成孔関連で名前を知ったユニット。今作をリリースした頃のSPANK HAPPYはメンバー構成から「裏ドリカム」「悪ドリカム」などと呼ばれ、本家にも負けない程にヒット性の高いポップなメロディーやサウンドに、アクの強い歌詞やギミックを混ぜるのを得意としていた。

「可愛らしい」「不思議」「コケティッシュ」など様々な印象を与えるようなハラミドリのボーカル、文学的な詞世界や前衛的なサウンドを展開する菊地成孔、メロディーやサウンドにポップな味付けをする河野伸本来は合わないような3者の才能が見事に一体化している。他にも一癖も二癖もある実力派ミュージシャンが多数参加しているわけだが、それでも全体としてはポップ。実験的な要素も相当に強いが、あくまでポップ。今までに聴いたことのないような作品だった。

 

顔見知り部門…

 

Oh!Penelope「Milk&Cookies」…Oh!Penelopeは詩人の血からの流れで名前を知り、セルフタイトルのミニアルバムを以前に入手した。そのお洒落かつポップなメロディーやサウンドに引き込まれ、詩人の血だけでなくOh!Penelopeにもハマった。今作はすぐに廃盤になってしまったことからプレミアがついている。それでも運良く入手できた。

全18曲入りで73分という大作なのだが、それでも長さを感じさせない。いつ聴いても変わらずに楽しめるような、カラフルでエバーグリーンなサウンドの数々に圧倒されるばかりだった。実験的だったりマニアックだったりする部分も確かに多くあるのだが、最終的にポップにまとめられている。渡辺善太郎のアレンジ能力の凄さがわかる。辻睦詞の「綺麗」というフレーズがよく似合う歌声も、唯一無二としか言いようのない存在感を放っている。

Oh!Penelopeを無理やりジャンルで括るなら渋谷系になるのだろうが、渋谷系の名盤の代表格として語られても良いだけの作品だと思う。プレミアがつくのも頷ける。

 

 

渡辺満里奈「MISS」…渡辺満里奈は以前「EVERGREEN」を聴き、シティポップ色の強い上質な楽曲に魅かれた。歌唱力は決して高くはないものの、独特な歌声の魅力を活かすような音作りがされていた印象があった。

今作は「EVERGREEN」や「SUNNY SIDE」で確立された、清楚で上質なアイドルポップス路線を維持した作品。ここまで来ると安定感しか無いレベルなのだが、やはり期待は裏切らない。ニューミュージックやシティポップ系の実力派作曲家・編曲家が参加し、渡辺満里奈のイメージに沿った楽曲を提供している。

次作以降はアイドル然とした要素が減っていくので、アイドルとしての渡辺満里奈を楽しむなら今作までという印象。

 

とりあえず、こんな感じ。次回はまたいつか。